製造性を考慮した基板設計(2022.4.25のトピックス)

 こんちにちは。
 基板設計エム・ディー・システムズのネット通販『設計天国』の田中です。

 初期計画の部品が集まらないための部品置き換えの改版が多々ありますが、
同時に、以前アートワークを頼んでいた会社さんが繁多なため、弊社にご委託
頂けるケースが増えています。

 その折に前品の基板設計データを参考にお預かりするのですが、たまに
お見かけするのが、ICの引き出しを外層だけで行ってしまい、ライン&スペースが
タイトな仕様になってしまっているケースをお見かけします。

 具体的には貫通基板でL/S=100μ/100μ未満で配線をされてしまっています。
 アートワークは配線幅やレジスト幅、シルク文字幅などなどいくつにでもすることが
出来てしまうのですが、基板の製造性を念頭に置いておかない(弊社では設計標準を
設けたり、基板メーカー様の設計ルールをお預かりしたりして、常時、設計者が閲覧
できるようにしています)と、基板が作れない、基板が作りにくい設計が出来上がって
しまいます。

 ちなみに多くの基板メーカー様が貫通基板の標準で好まれるのはL/S=125μ/125μです。
※銅厚35μが基準ですので、銅厚によって変わります。

 今回拝見した前品データは、試作基板メーカー様が一連でアートワークから基板製作
まで受託されたのか、自社で75μ/75μで製作できるからICの引き出しを内層で行う配線
検討の時間をとらず、外層で引き出してしまったのかな、と思った次第です。

 弊社で受託した設計作業も評価基板とのことなので、量産性は加味せず、ただ、
基板製造メーカー様、お客様を交えて、設計作業時間(納期)や費用を協議しながら、
配線調を変えたりしながら設計対応、製造対応致しました。

 製造性を考慮した方が良いこと、多々、ありますが、弊社内であまり注意喚起の
アンテナに引っかからないのが、表面処理方法の違いによる導通ビアの仕上がり公差、
です。
 これについては、別の機会に記載させて頂こうと思います。

 今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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